Haruyuki Yamashita

​山下 晴之
Haruyuki Yamashita, CFA

株式会社東京証券取引所
ニューヨーク駐在員事務所

Q1: 現在のお仕事内容を教えてください。

A1: ニューヨーク駐在員事務所にて、米国資本市場に関するリサーチ及び日本市場に参入する米国の投資家の皆様に対して制度面や技術面でのサポートを行なっております。また、日々のリサーチや投資家の皆様から頂いたフィードバックを基とし、東証の市場運営や制度設計に活かしております。
 

Q2: CFAを受験しようと思ったきっかけは何ですか?

A2:グローバルな投資家の皆様と同じ目線を有した上で東証の制度面等に関する議論及び検討を行うことが、市場の持続的な発展に寄与するために必要不可欠と考えたからです。東証では海外投資家の売買が6割を占めております。今後もグローバルに信頼され選ばれる市場を作り上げていく上で、国際的に信頼が厚いCFA資格によって得られる知見は、他のどの資格よりも最も目的適合性があると考えたからです。
 

Q3: CFAを取得したのは何歳の時、社会人何年目でしたか? 

A3:34歳、当時社会人10年目です。
 

Q4: CFA資格を始める前に、財務、金融、数学の知識はどの程度持っていましたか?

A4: candidateになった当時、財務部で予算、業績予想及び管理会計を主に担当しておりましたので財務の知識はそれなりに有しておりました。
 

Q5: 家庭、仕事、プライベートの中でCFA資格への勉強をどのように進めましたか? どんな方法や工夫をしましたか?

A5: まとまった時間を確保することも重要ですが、どちらかというと日常生活の中に工夫してCFAの勉強時間を組込んでいくことの方が効果的であると考えております。私の場合、これまでより2時間ほど起床時間を早め、早朝の空いている通勤電車及び始業前にテキストを読み込み、休み時間に演習問題等で自信の理解度を確認するという日々を送りました。週末は試験前の数週間を除き家族との時間を大事にするために、テキストを開くのは早朝の時間だけと決めておりました。
 

Q6: CFAを取得して何か変わったことはありましたか?

A6: 資格取得を試みる前と比較してですが、マーケットへの理解が着実に深まりました。言うまでもなく、今でもそれぞれの専門領域で活躍される市場関係者の皆様からご意見をいただき学ぶことの方が遥かに多いですが、広範な領域において基礎的な前提知識を会得できたことは貴重な財産です。
 

Q7: CFAはキャリア・デベロップメントに役に立つと思いますか?

A7: 役立つ可能性が高いと思います。勿論、CFAの資格取得により必ずしも望むキャリアが開かれる保証はなく、どちらかというと現業における実績等の評価の方が重要とも思います。ただ、資格取得を通じて得られる知見は想像以上に高度で多岐にわたるため、間違いなくその人自身の糧になりますし、その成長を必ず見てくれている人がいるとも思います。将来のチャンスに対してそれを着実に掴める準備をしておくという意味でも、キャリアに悩まれている中で資格取得を検討されている方は、是非その悩みを昇華させて挑戦していただければと思います。
 
 

Q8: CFAは今の仕事や人脈づくりに役立っていますか?

A8: 先に触れた通り、グローバルな投資家の皆様と意見交換する上でCFAで得られた知識は非常に有用と感じます。なお、米国の投資家の方と名刺交換をすると殆どの方がCFA資格保有者であり、その際に少なくとも「同じ言語では会話ができる」という最低限の証明になっているのではないかと思います。
 

Q9: CFA資格を取得後、個人資産運用またはプライベート財務貯蓄にどのように役立っていますか?

A9: (業務上、投資が制限されているため省略) 
 

Q10: これからCFA受験を目指そうと考えている方にエールを送っていただけますか?

A10: CFAはカリキュラムで扱う範囲も広く、深い理解が求められることから、想像以上にハードな資格です。少なからず何かの面で犠牲を払うこともあり、途中で心が折れそうになることもあると思います。その際は、自身が資格取得を目指そうとした初心に責任を持ち、資格取得後の自身の姿を想像して強い意志で諦めずにやりとげてください。実感が湧きにくい事もあると思いますが、テキストを開く度に間違いなく自身の糧となっているはずです。前向きにそして楽しんで、頑張ってください!

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