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[2022.8] CFA SOCIETY JAPAN NEWSLETTER August 2022, No.58

各コミッティの活動報告

アドボカシーコミッティ活動報告

アドボカシーコミッティでは大きく3つの活動を行なっている。ポリシー・エンゲージメント、ソートリーダーシップ、そしてその年に注目されたテーマについて連続開催する5回シリーズで、それぞれ直近4ヶ月は次のような活動を行なってきた。

 

  1. ポリシー・エンゲージメントでは、4月は今年適用される改訂小―ポレートガバナンス・コードをめぐり、日本企業の小―ポレートガバナンスの状況について、東京大学の田中教授、一橋大学の円谷教授に講演いただき、続けてマラソン・ロンドンアセット・マネジメントの高野氏を交えてパネルディスカッションを行った。また6月には、投資家は企業のサイバーリスク対策をどう見るべきかという点について、経済産業省の奥田課長、PwCの丸山氏にご講演いただいた。6月23日にはVRF(8月1日にIFRS財団に統合)のKatie Schmitz Eulitt氏にIFRSサステナビリティ・レポーティングのエキスポージャードラフトについて解説をいただいた。この後参加者を中心に会員に(Webinarのビデオも併せて配布し)サーベイを行い、その結果を下に7月28日にIFRS財団にコメントレターを提出した。8月30日には金融庁が6月に発行した「資産運用業高度化プログレスレポート」について、金融庁の安達室長によるご講演をいただく予定である。またこの間、日本証券アナリスト協会による、「ESG disclosure standards for investment products (CFA協会作成)」の翻訳作業に協力した。

  1. ソートリーダーシップでは、継続的に会員の皆様に向けたウェビナーを開催しています。コミッティに参加いただいているボランティアメンバーで、テーマやスピーカーについて議論をして、最新のトピックや業界でも関心度合いの高い内容についてウェビナーを企画するようにしています。4月からの期間では、不動産市場の見通しをニッセイ基礎研究所の佐久間氏にご講演いただいたり、日本銀行から金融システムレポートの内容を日本語と英語で紹介、また麗澤大学の中島教授よりロシア制裁とSWIFTについて、野村総合研究所の木内エコノミストよりグローバルのマクロ世界経済環境について講演を頂くなどしました。英語でのセッションとしては、BCAリサーチのロバート・ライアン氏よりコモディティ市場についてのウェビナーも開催しました。さらには、日本CFA協会と関連のある協力団体のイベントについても会員の皆様に紹介をしています。今後とも、会員の皆様にとって継続的な学習機会を提供できるようにウェビナー等のイベントを企画してまいりますので、ご参加のほどよろしくお願い致します。

  1. 5回シリーズでは「人的資本・自然資本について」5回連続講座(ウェビナー)を開催

日本CFA協会のアドボカシー委員会では、近年、この年の旬なESG関連テーマをピックアップし、5回連続講座(ウェビナー)形式を通して、関連テーマへの理解を深めることを試みしてます。今年のテーマは「人的資本・自然資本について」、以下のような5回構成となっており、すでに4回まで開催済み、合計809名のご登録をいただき、関心の高さが伺えます。

日付

演 題

講 師 (敬称略、順不同)

3/22(火)18:30 – 20:00
 

HBSのインパクト加重会計の取組みと事例紹介
~人的資本への影響の可視化を中心に

渋澤健氏(シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役)
五十嵐剛志氏(英国Big Society Capital Finance Manager、公認会計士)

4/26(火)
18:30 – 20:00
 

人的資本に関する企業の取り組みと開示事例紹介
~戦略から導き出される人的資本の可視化を中心に

中川有紀子氏(立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科前特任教授)
土井哲氏(株式会社インヴィニオ 代表取締役/日本CHRO協会主任研究委員) 

5/19(木)
18:30 – 20:00
 

人権デュー・ディリジェンスの実践
 

渡邉純子氏(西村あさひ法律事務所 弁護士 / 国際労働機関(ILO)コンサルタント)
宮田千夏子氏(ANAホールディングス株式会社 上席執行役員 グループCSO)

7/7(木)

18:30-20:00


 

自然関連リスクと機会の情報開示-TNFD提言

 原口 真氏(TNFDタスクフォースメンバー/MS&ADインシュアランスグループホールディングス TNFD専任SVP)

谷貝 雄三氏 (環境省 自然環境局 自然環境計画課 生物多様性主流化室長)

10/6(木)

20:00-21:30

 

Investors’ Expectation of Human Capital

Mr. Hiroki Sampei (Founder & Principal, Astonering Advisor LLC)

Ms. Holly Fetter (Vice President, Asset Stewardship, State Street Global Advisors)

 

最終回が10月6日(木)の夜に予定しており、アセットマネジャーとして、長年人的資本を含めたエンゲージメントをされた講師のお二人からご講演をいただく予定です。ぜひご登録の上、ご視聴ください。

今後も引き続き、会員ニーズに合わせ、質の高いセミナーを企画・開催してまいりますので、どうぞご期待ください。


メンバーシップ・コミッティの活動報告

メンバーシップ・コミッティは会員数の増加及び会員の皆様の満足度向上を目標とし、会員の皆様向けのNetworkingやCareer Developmentイベント、及びCandidateをサポートするイベントの企画、開催しております。

 

6月22日に、5月のCFA試験受験者を対象として、Cooldown Partyを開催いたしました。このイベントは、CFA試験受験者の方々に、長期間の試験勉強から解放されたタイミングでリラックスして頂くとともに、同じ試験を受験した他の受験者の方々と苦労を語り合えるネットワーキングの機会を提供するものです。前回まではオンラインでの開催でしたが、今回は久しぶりの対面開催となりました。

こういったネットワーキングイベントは、対面開催の方がより交流を深めることが出来ると考えておりますので、新型コロナウイルスの感染状況を考慮しながら、今後も対面開催の可能性を検討していきたいと思っております。

 

7月21日にCFA試験オリエンテーションをオンラインにて開催し、約90名にご参加頂きました。このイベントはCFA協会の紹介やCFAプログラムの概要説明、また合格者による体験談を行うものです。前回まではスタディグループのキックオフイベントとセットで実施しておりましたが、今回からは別イベントとし、スタディグループキッキオフについては「Open Space for Candidates」というイベントにその役割を持たせるという試みを行っております。(「新企画Open Space for Candidatesのご紹介」参照)

スタディグループ参加目的の参加者が多かった前回までとは異なり、CFA試験の受験を決めかねている方や、CFA資格とはどのような資格か概要を知りたい方などがより参加しやすくなったのではないかと思っております。

メンバーシップ・コミッティではこの他にも、会員向け、Candidate向けの各種イベントの企画、開催をしており、今後も会員の皆様の満足度向上と会員数増加に寄与していきたいと考えております。

メンバーシップ・コミッティ
チェア 河野文化,CFA