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[2023.8] CFA SOCIETY JAPAN NEWSLETTER August 2023, No.61

アドボカシー・コミッティ活動報告

アドボカシーコミッティでは、4月以降次のような活動を行ってきました。

ポリシーエンゲージメント活動では、日本政府がコーポレートガバナンスの強化に向けた動きを加速させていく中で、マーケットに対する情報発信・意見発信として、4月26日に金融庁が発表したコーポレートガバナンスアクションプログラムを、6月8日から経済産業省が意見募集を行っている「企業買収における行動指針(案)」を取り上げました。また会員の多くが従事している資産運用産業に影響のある「資産運用高度化プログレスレポート2023」を取り上げました。その他、定期的に開催している日銀金融システムレポートについて開催しました。また初めての取り組みとして、IFRSの基準改定の最新状況およびIFRSサステナビリティ基準のパブコメについて、CFA協会 APACの協力を得ながら、他のアジア・パシフィックのソサイエティからパネリストを迎えてウェビナーを開催しました。

ソートリーダーシップ活動では、社会的にも話題になっているAT1債について、非常にタイムリーに取り上げることができました。また会員のナレッジ向上のため、マクロ経済や米国のPEファンドの実務、そしてESGデータについてのWebinarを実施しました。毎年恒例の5回連続Webinarについては、今年は「Startups in Japan: 新しい資本主義のイノベーション促進に向けて」というタイトルで、主にスタートアップに関する取り組みを取り上げていきます。6月からスタートし、第1回目は「スタートアップ業界の最新動向等」について、第2回目は「スタートアップの資金調達の新潮流」について、という内容で開催しました。

また、本年から立ち上げた金融教育に関するワーキンググループ(金融教育WG)では、金融リテラシーマップのより一層の活用による金融教育充実に向けた建設的な提言を行う前提として、まずはアンケートを日本CFA協会の会員等を対象に行うことを考えています。10名から15名程度のボランティアの方々に、隔週でのミーティングに継続的にご参加いただきながら検討を続けた結果、実施するアンケートの内容について、概ね金融教育WG内でのコンセンサスが得られて、これからアンケート実施をする予定です。

アドボカシー・コミッティ・チェア
三井 千絵


メンバーシップ・コミッティ活動報告

2023年7月26日 CFA資格授与式および夏の集い

7月26日に東京金融ビレッジにて2023年2月のCFA試験レベルIIIに合格された会員の皆様の資格授与式を行いました。今回は夏の集いもかねて、一般会員の方にもご参加いただき、合格者の皆様のお祝いをすると共に対面でのネットワーキングの場を提供させていただきました。当日は、日本CFA協会出川昌人会長からのお祝いのメッセージに続き、今回の新しい試みとして新チャーターホルダーの Claudio Ip 氏と辻井秀仁氏から合格者を代表してスピーチをいただきました。また、メンバーシップコミッティからは日本CFA協会の各コミッティとボランティア活動についてもご紹介させていただきました。

授与式の後、レセプションでは、新チャーターホルダーを囲んでのネットワーキングを個々に楽しみました。

新しいチャーターホルダーの皆様、おめでとうございます!今後の協会イベントやボランティア活動でお会いできることを楽しみにしています。

日本CFA協会理事 佐藤靖子, CFA


ユニバーシティ・コミッティ活動報告

第3回エシックス・チャレンジ国内大会、6月に開催

ユニバーシティ・コミッティでは今年で3回目となるエシックス・チャレンジを6月に開催しました。 エシックス・チャレンジは金融業界のなかでも重要性が高まっている資産運用業界において、インベストメント・チェーンの各方面で将来の活躍が期待される倫理観のある投資運用プロフェッショナルの育成を目指して、学生向けに開催されるイベントです。日本CFA協会の中で倫理の重要性を資本市場に浸透させる使命感を持つユニバーシティ・コミッティがホストとなり、司会や審判員からオンラインでの進行スタッフまでを協会ボランティアが運営します。大学(院)生で構成されるチームに資産運用における倫理上のジレンマを含むケースが与えられ、そのジレンマを発見し、各チームで議論の上、審判員に対するプレゼンテーション及びそれに続く審判員との質疑応答により優勝チームが決定されるコンペティションです。審判員は「CFA協会倫理規範および職業行為基準」に照らしてプレゼンテーション及び質疑応答の中身を評価します。今年の大会は下記のスケジュールの下で行われました。

  • 6月12日(日) 7大学9チーム参加によるキックオフ・ミーティング(オンライン)において出題ケースの提示
  • 6月19日(日) アブストラクト(要旨)提出期限
  • 6月20日(月) アブストラクトの評価に基づきプレゼンテーション・ステージへ進出する5チームを発表
  • 6月26日(日) 5チーム参加によるプレゼンテーション・ステージ、優勝チームの決定

6月26日(日)のプレゼンテーション・ステージは、大会3回目にして初めて対面で行われ、ライブ感溢れるイベントとなりました。参加全5チームは、資産運用業界もしくは規制当局での業務経験を有するプロフェッショナルである審判員4名に対し、10分間のプレゼンテーションを行い、続く10分間で審査員からの質疑に対し応答し、審判員がこれらの内容を厳正に審査した結果、筑波大学チームが昨年に続いて優勝チームに選ばれ、優勝トロフィーを授与されました。 尚、残念ながら今年もAPAC大会の開催は予定されていません。

ユニバーシティ・コミッティ・チェア
有江慎一郎, CFA


パブリック・リレーションシップ・コミッティの活動報告

Global Financial Hub

日本CFA協会では、日本政府が推進する日本の国際金融センター化構想に貢献することを3年計画の1つの柱に据え様々な取り組みを実施しています。たとえば、金融庁の施策第一弾(税金面での優遇措置、英語で対応する拠点開設サポートオフィスの設立等)のWebinarをアジアCFA協会協力のもと開催し、それを受けたアンケート結果をベースに金融庁へ提案を行いました。また、金融庁担当官が日本のプロモート目的で香港に出張した際に、CFA協会APACと共同して日本進出に興味をもつ金融機関とのラウンドテーブルを開催しました。2023年7月には、アジアを中心に金融専門家8人のラウンドテーブルを開催しました。このラウンドテーブルにはあえて金融庁担当官はお招きせず、参加者に本音ベースでのディスカッションをお願いし、様々な意見を伺うことができました。このラウンドテーブルでの意見をベースに金融庁に取り組むべき施策の提案をする予定です。この取り組みにご興味のある会員の方は、ぜひお気軽に日本CFA協会事務局([email protected])迄ご連絡ください。

ジャパンインベストメントカンファレンス2024(JIC2024)の企画開始

2024年5月開催(予定)に向けて、今年2月にワーキングループ(JIC2024 WG)がローンチし、テーマについて複数の議論を経た後、会員向けのアンケートも実施しました。その結果を踏まえ、大きな関心を集めたAI及びその関連技術の資産運用における活用が、JIC2024のテーマと決定されました。目まぐるしく発展している技術はこれから金融業界にどのような変化をもたらすか、将来の資産運用に備えるためにどのようなスキルが必要となるか、JIC2024の参加者の方々に実用的なインサイトを提供するために、JIC2024 WGは現在、AIと資産運用の専門家と組んで、JIC2024のストーリー作成に着手しています。そして、JIC2024 WG内にもプロを招いて、シリーズ勉強会を開催しています。JIC2024 WG はいま約20名のボランティアと事務局から構成し、引き続きニューメンバーを大歓迎です!AI及び資産運用にご興味がある方、及び、イベント企画を試してみたい方はぜひお気軽に日本CFA協会事務局( [email protected])迄ご連絡ください!

HKUSTセミナー

6月14日(水)FINE TOKYO にて、HKUST (Hong Kong University of Science and Technology) /NYU SternとのJoint Seminarを開催しました。「Valuing a High-Growth Subscription-Based Business:Netflix Valuation in the COVID-19 Era」と題するセミナーでは、Professor Alminas Žaldokasのテンポの良いインタラクティブな講義が参加者の興味を引き立てました。身近な会社Netflixのバリュエーションが題材であったこともあって参加者の闊達な質問があり、現地でのMBA講義さながらの盛り上がりでした。また、セミナーに先立つレセプションでは、参加者同士だけでなくHKUSTおよびCFAJ関係者との貴重なネットワーキングの機会になりました。FINE TOKYOのセミナールームが後ろの席まで一杯になるなどとても盛況でした。

SNSを活用した広報活動に向けて

今や身近な媒体になったSNSを使った広報活動をパブリック・リレーションシップ・コミッティでは検討を重ねてきました。新年度からの広報活動においてSNSの活用方法について、新たに加わったボランティア有志と7月30日(日)に対面で企画会議を持ちました。CFAの認知度がまだまだ低い日本では「CFAの魅力」を発信することに努める必要があり、とりわけ日本語での発信が少ないことが確認されました。CFA受験者が必要な情報(CFAチャーターホルダーにどのような人がいるのか、キャリアアップできるのか、業務に役立つのか、など)を手軽に入手できるように、コンテンツの制作と情報発信の方法について、実行に移すフェーズに入ります。本プロジェクトではボランティア・メンバーのアイデアを求めています。有志の方のご参加をお待ちしております。ぜひお気軽に日本CFA協会事務局([email protected])迄ご連絡ください。

パブリック・リレーションシップ・コミッティ・チェア
松本昭彦, CFA

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