Yuko Kabasawa

​樺澤 祐子, CFA
Yuko Kabasawa, CFA

WTW(ウイリス・タワーズワトソン)
Investment部門
シニア・アソシエイト

Q1: 現在のお仕事内容を教えてください。

A1:  私が働いているWTWは、クライアントに対し、「人材」「リスク」「資産」の分野でソリューションを提供するコンサルティング・ファームです。米NASDAQ上場、世界140か国以上に展開し、約46,000名の従業員が働いているグローバル企業でもあります。
私はこのWTWのInvestment部門で資産運用コンサルタントとして働いています。
企業年金などの機関投資家に対し、グローバルなリサーチおよび分析に基づく投資アドバイスを提供しています。具体的には、資産配分の構築から運用戦略の策定・運用機関選定、その後のモニタリングといったクライアントの運用業務の支援・助言を行っています。
上記以外には基礎セミナーの講師なども担当しています。
 

Q2: CFAを受験しようと思ったきっかけは何ですか?

A2: ニューヨークで働いていたころ、当時の上司から受験を勧められたのがきっかけです。上司は日本の方でしたが海外で過ごした経験が長いことから、CFAの価値を理解されていて、長期的な目線で考えた時にMBAあるいはCFAの取得が有益だとアドバイスをいただきました。
また、米国の金融機関で働く人たちは当たり前のようにCFA資格取得を目指していることを肌で感じていたので、受験をすることに決めました。
 

Q3: CFAを取得したのは何歳の時、社会人何年目でしたか? 

A3: 37歳の時、社会人14年目です。
 

Q4: CFA資格を始める前に、財務、金融、数学の知識はどの程度持っていましたか?

A4: 新卒で入ったメガバンクでは私募債の発行やカストディ業務など、行内で証券ファイナンスと分類される業務に従事しておりました。その後は現行と同じ機関投資家向けの資産運用コンサルティング業務、米国で勤務した保険会社では運用業務にも携わっておりましたので、経験を通じて得た知識は大きかったと思います。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)の資格は、20代の時に取得していました。
 

Q5: 家庭、仕事、プライベートの中でCFA資格への勉強をどのように進めましたか? どんな方法や工夫をしましたか?

A5: 子供が寝た後の数時間を勉強時間に充てていました。
勉強方法については、私はテキストを何度も読んだりノートに書いたりするよりも「誰かが話していたこと」が記憶に残りやすいので、Kaplan Schweserのオンライン授業を活用しました。オンデマンドで見ることができるプログラムを選んだので、通勤時間なども利用し、スマートフォンで受講していた記憶があります。
あとは、CFA InstituteがWebで公開している無料の練習問題がとても良いと聞いたので、全部解いておくといった対策をしました。
 

Q6: CFAを取得して何か変わったことはありましたか?

A6: カリキュラムの範囲で言うと、私は毎日「ポートフォリオ・マネジメント」に関連する課題に対し解決策を考える仕事をしているので、取得後は仕事がよりスムーズに進められるようになったと思います。
クライアントが直面している課題にどう答えたらいいか、どういった分析を行うのが良いのか、試験勉強を通じて培った知識や考え方を軸にして検討を進めることができるようになりました。もちろん実務においては、個別の事情を考慮して進めていく必要がありますが、そこに対して多くの時間をかけられるようになったことでより質の高い仕事ができていると感じています。
 

Q7: CFAはキャリア・デベロップメントに役に立つと思いますか?

A7: 役立つと思います。学んだことを通じて、仕事の質が上がった結果、難易度の高い仕事に挑戦できるようになりました。
また、CFAチャーターホルダーであることは、転職にも役立つと思います。専門的な知識があることが証明できますし、また資格取得のために努力をした人材であると示すことができます。
直近の就職活動においては、CFA資格取得後だったのでスムーズに話が進んだのではないかと思っています。
仕事で初めて会う方に対しても、専門的な知識があることを示すツールにもなっていると思います。相手が持っている年齢や性別・見た目に対する無意識の固定観念の影響を受けることもありますので、「バックグラウンドを端的に見せることができる」という点で役立つと思います。
 
 

Q8: CFAは今の仕事や人脈づくりに役立っていますか?

A8: まず、先に触れた通り、仕事にはとても役立っています。
人脈づくりに関しては、CFAチャーターホルダーの方とは同じ試練を乗り越えたという共通点があるので、初めてお会いする方とも年齢や職歴に関係なく気軽に話すことができるという魅力があります。今後はもっと積極的に活用していきたいと思っています。
 

Q9: CFA資格を取得後、個人資産運用またはプライベート財務貯蓄にどのように役立っていますか?

A9: 業務上、個別株への投資が制限されていますが、投資信託での運用に知識を活用しています。
 

Q10: これからCFA受験を目指そうと考えている方にエールを送っていただけますか?

A10: 資格取得への道のりは確かに大変でしたが、試験対策をする中で得た知識は確実に役立っていて、メリットは間違いなく大きいです。自分の中に、業務に必要な各分野の教科書がインストールされるような感覚でしょうか。もちろん市場は絶え間なく変化するため、資格取得後も新しく覚えることがたくさんありますが、基礎がしっかりしているので、より柔軟に対応ができるようになっていると思います。
目指そうと考えている方はぜひ早めに決断し、準備を進めて頂ければと思います!

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